ここまで10のセフィラを巡る旅を経て、
私たちは「現実における完成された構造」──マルクトへと至った。
だが、セフィロトの旅が本当にここで終わるのだろうか?
カバラにおいて、しばしば語られる“隠されたセフィラ”が存在する。
それが、
ダアト(Da'at/דעת)── 知識
ダアトは、10のセフィラには含まれない“不可視のセフィラ”。
それは“目には見えないが、力が交差し、集中し、裏返る場所”
ダアトは、意志と思考が交差し、“知識”として爆発的に現れる一点。
それは、セフィロトの木の中央構造を裏返す鍵でもある。
ニルス論では、矢印が交差する一点に「特異点」が生まれる。
そこから再誕や裏返り、そして新たな力の発現が始まる。
これはダアトの概念ときわめて近い。
ダアトとは、
「すべての知識が生まれるが、どれ一つとして定義できない場所」
そして、ここに至ったとき、
セフィロトの木は、“裏の構造”として反転する。
裏のセフィロトとは、現実の木の反転構造。
それは「生命の木」ではなく、
“影の木”── クリフォト(Qliphoth)や、
星界の知覚構造としての裏セフィロト
セフィロトの構造が完成したその先には、
ただの「完成」ではなく、
“裏返りによる進化”
が待っている。
その第一歩が、隠されたセフィラ「ダアト」──知識の目覚めである。
次回は、この知識のゲートが開かれたときに起こる、
新しいセフィロトの重なりと、星界における“霊的構造”の樹を探っていく。