私たちが世界を理解し、意味づけるためには、「結合」というプロセスが欠かせない。
バラバラに存在する情報や感覚を、ひとつのまとまりとして捉えることで、
私たちははじめて“秩序ある世界”としてそれを認識することができる。
ニルス論において、この結合には二つの方法がある。
ひとつは、青(整列)による合理的・論理的な結合。
もうひとつは、紫(想像)による感覚的・情緒的な結合である。
青は、「わかる世界」をつくる力。
他者と共通認識を築くための“秩序の設計者”である。
紫は、「感じられる世界」をつくる力。
主観の中で価値と意味を見出す“象徴の編集者”である。
要素 | 青(整列)=合理的結合 | 紫(想像)=感覚的結合 |
---|---|---|
対象 | 情報・構造 | 感覚・感情・象徴 |
方法 | 分析・分類・論理的整列 | 共鳴・直感・主観的融合 |
生まれるもの | 知識・法則・説明可能な秩序 | 意味・価値・象徴的世界 |
表現 | 定義・図解・システム | 詩・物語・夢・芸術 |
結合の方向性 | 客観化・共有 | 主観化・個別化 |
青は「世界を整理して見せる力」
紫は「世界を感じて意味づける力」
この二種類の結合は、どちらが優れているというものではなく、
相補的に世界を成立させている。
知の構造(青)と、感覚の意味(紫)は互いに支え合い、
それぞれが異なる次元で秩序を与えている。
カバラにおけるダアト(知の結合)は、コクマー(直観)とビナー(理解)を統合するポイントだが、
紫のような「感覚的な結合」の役割は、ダアトの感性的側面や、下位セフィラとの関係性にも見いだすことができる。
感覚を単に受け取るだけでは、世界はバラバラなままだ。
論理だけでも、世界は冷たく乾いたままだ。
青と紫という二つの結合方法によって、
私たちは世界を「理解し」「感じる」ことができる。
それは、ニルス論において“秩序の誕生”と呼ばれる最初の奇跡であり、
今この瞬間も、私たちの内側で繰り返されている世界生成の技法である。