第6章:三柱・三世界・七つの界

──力が交差し、宇宙が構造を持って立ち上がる──

私たちはこれまで、宇宙が「光」からはじまり、10の色と力として展開されていく様子を見てきました。

けれどその流れは、直線的に並ぶものではありません。色と力は、互いに交わり、響き合い、やがて柱となり、世界となり、界(フィールド)となって宇宙を立体的に支えていきます。

この章では、ニルス論における宇宙の構造を形づくる三本の柱・三つの世界・七つの界についてお話しします。

🪵 三本の柱 ―― 宇宙と人を貫く三つの方向

宇宙の力は三方向に分かれて流れています。それはまるで、私たちの身体に通っている三種類の神経のようでもあります。

柱の名前含まれる力身体の対応性質
🟨 黄の柱意志、祈願、模倣、感情、調和体性神経能動、陽、世界の表面で活動する力
⚪ 光の柱記憶体、身体、意識、魂、超越体中枢神経中性、統合、関係性そのもの
🟦 藍の柱思考、整列、想像、思念、循環自律神経受動、陰、世界の裏側で働く仕組み

🌍 三つの世界 ―― 力が展開する場の階層

柱が力の方向を示すものだとすれば、世界はその力が働くための“器”です。

世界含まれる界主な関わり
□ 天界伝達界、情報界質性と質量。祈願=自然、整列=科学。宇宙の根源的設計図が存在する場。
🌎 自然界人間界、霊界肉体と霊体。模倣=社会、想像=宗教。地上の私たちが生きる現象世界。
🌠 星界来界、回界個霊と星霊(集合霊)。再構築と再配置。未来、霊的視野、魂の進化のための次元。

🌐 七つの界 ―― 力と力の“結び”によって生まれる世界

それぞれの力が交差し、ある関係性を結ぶとき、そこには“界”と呼ばれる独立したフィールドが生まれます。
対となるフィールド同士が重なり合うことで多様性が生まれていき、さらに新しい世界を生み出します。

生まれる力含まれる世界主な関わり
🌀 伝達界意志 × 祈願天界質性、光の波動性、波動、変化の起点。音や振動、エネルギーの構造生成。
📡 情報界思考 × 整列天界質量、光の粒子性、秩序、進化の系統。数理、分類、論理の基盤。
👤 人間界模倣 × 感情自然界肉体と社会性。行動、関係、習慣、生活の構造。
👻 霊界想像 × 思念自然界霊体と宗教。信仰、内面世界、芸術、個我の霊的風景。
🌱 来界調和 × 意志星界個霊のはじまり、種、灯、結び。産霊、先祖との縁、魂の準備。
🌐 回界循環 × 思考星界星霊(集合霊)の律動、脈動、星々の構造。社会・文明・霊的構造の運行。
🪞 世界界(中心)光の柱全世界を貫通再誕生の軸。記憶・意識・超越体が交差する特異点。

✨ 来界と回界の特異な役割

来界と回界は、星界に属する“最も深く静かな界”です。それぞれが以下のような働きを持ちます:

🌱 来界:個霊のはじまりと、結ばれる灯

魂がこの世界に生まれる前の整えと選定。種、灯、縁、結び。先祖や産土とのつながり。星界の中で、最も個霊に近い領域。プレアデス的存在の加護と共鳴する場所。

🌐 回界:星霊(集合霊)をめぐる大いなる律動

魂たちのめぐり、配置、再誕生のリズム。星々の脈動、宇宙的な律と共鳴する意識層。星霊(集合霊)の意志を読み取る高次の霊知空間。シリウス的存在が働く領域でもある。

来界は「種」、回界は「律」。来界は「灯」、回界は「脈動」。このふたつは、魂が“どこから来て”“どこへ向かうのか”を静かに教えてくれる場です。

🧭 この章のまとめ

これまで、私たちは「色」として語られてきた力たちを、より大きな構造――柱、世界、界として捉えてきました。

そして、すべての界が揃ったとき、宇宙の構造はひとつの“調和”に至ります。

けれどそれは、終わりではなく、すべてが再び「光」へと還り、また新たな流れを生み出すための、“始まりの静けさ”でもあるのです。

次の章では、中心に存在する「光の柱」の核心に迫りながら、魂とはなにか、記憶体とはなにか、意識とはどこから来るのか――この世界のもっとも深い問いへと進んでいきましょう。

補章:進化の二重螺旋と交差の特異点

── 感覚と合理の流れがひらく、次の世界への入り口 ──

ニルス論における10の色と力は、ただ並列的に存在するものではありません。それぞれの力は、内なる感覚から導かれる「感覚的進化の流れ」と、構造的思考に基づく「合理的進化の流れ」に沿って、異なる方向性を持ちながら進化していきます。この補章では、その2つの進化の流れと、それらが交差することで生まれる「特異点」を解説します。その交差こそが、新たな世界の“入り口”となるのです。

🔁 二つの進化・変化の流れ── 感覚と合理の二軸

🌈 感覚的進化の流れ(情緒・共鳴・精神性)

黄(意志) → 萌(祈願) → 紫(想像) → 紅(思念) → 緑(調和)

この流れは、内的な感覚や祈りから始まり、想像力と愛、そして調和へ至る、情緒的・精神的な進化です。「なぜかこうしたい」「好き」「共鳴する」といった内発的動機が原動力となります。

🔵 合理的進化の流れ(論理・構築・現実性)

藍(思考) → 青(整列) → 橙(模倣) → 赤(感情) → 碧(循環)

この流れは、物事を分けて理解し、構築し、現実に作用していく進化の軸です。「どう組み立てるか」「どう結果を出すか」といった目的的思考が中心となります。

🌌 特異点は“世界の入り口”── 二つの流れが交差するとき、あたらしい扉がひらく

ニルス論において、「特異点(シンギュラリティ)」とは、力と力が交差する場所であり、新たな世界への“入り口”なのです。

🌱 自然界の入り口 ── 萌(祈願)と青(整列)の交差

萌(祈願)は、全体を抱きしめようとする祈りの力。青(整列)は、世界に意味と構造を与える秩序の力。この二つが交差したとき、空間と時間が芽生え、“現象としての身体”が生まれるための場が開かれます。

🔥 星界の入り口 ── 赤(感情)と紅(思念)の交差

赤(感情)は、心が理想と現実のあいだで震える瞬間。紅(思念)は、その震えを信じ、持ち続けようとする魂の意志。このふたつの力が交差するとき、魂が強く動かされ、癒しと再統合のプロセスが始まる“入り口”が開かれます。それが、星界の入り口です。個我が超越体へと進化していくための、新たな通路なのです。

🌀 特異点とは、入り口であり、結び目であり、再出発の場所

特異点とは、力が重なり、裏返り、変化が始まる“はじまりの場”です。それは終わりではなく、新たな世界の“入り口”であり、これまでの全てがほどけ、新しい関係性が結び直されるための結び目なのです。

ニルス論が描く宇宙とは、入り口と入り口が重なりながら、光と存在を繰り返し生み出し続ける構造なのです。

🏠 ホームに戻る