第11章:今、あなたの色が強く輝いているとき
── まぶしさの裏にある、色の沈黙 ──
✦ 魂に宿る10の色と、その偏り
ニルス論では、魂は本来10の色すべてを内包していると考えています。黄の意志、藍の思考、萌の祈願、青の整列、橙の模倣、紫の想像、赤の感情、紅の思念、緑の調和、碧の循環──それらは誰もが生まれながらに持っている内的エネルギーであり、魂の色彩です。
しかし現実には、その人の気質、環境、人生の選択によって、ある色が強く表に出たり、逆に抑え込まれたりします。つまり、魂には“色の偏り”が生じているのです。それは長所であり、また未開発な可能性でもあります。
色の輝きと、見えなくなる色
色が強く輝くとき、それは魂が本来持つ力をもっとも発揮している状態です。その色の持つ性質が際立ち、行動や考え方、生き方の軸となることも多いでしょう。しかし、その強い輝きはしばしば他の色、特に反対の性質を持つ色を覆い隠してしまいます。
意識が一方向に偏ることで、補完関係にある色の存在を忘れてしまったり、気づかずに遠ざけてしまったりするのです。これは「色が強く出ていること」そのものが悪いという意味ではありません。むしろ、強く輝く色はその人の得意分野であり、今のあなたらしさをよく表している色といえるでしょう。
ただ、その裏で沈んでしまっている色があることにも目を向けなければなりません。そこに、魂のバランスを回復するヒントや、次なる成長への鍵が隠れているかもしれません。
色のバランスと魂の傾向
今、強く輝いている色 | 表に出ている性質 | 見えにくくなっている色 | バランスを崩したときの傾向 |
---|---|---|---|
🟡黄(意志) | 決断力・推進力がある | 緑(調和) | 衝突を避ける柔軟さが乏しい |
🌱萌(祈願) | 共感性・感受性が高い | 橙(模倣) | 現実化・形にする力が弱い |
💜紫(想像) | 創造的・霊感的 | 青(整列) | 枠組み・伝達が曖昧になる |
🔴赤(感情) | 情熱・瞬発力がある | 紅(思念) | 思考・継続・深まりに欠ける |
💗紅(思念) | 信仰心が深く対象への没入がある | 碧(循環) | 執着しすぎて流れを見失う |
💚緑(調和) | 穏やかで調整力がある | 黄(意志) | 決断や推進が苦手 |
🌊碧(循環) | 変化に柔軟で臨機応変 | 紫(想像) | 流れに流されすぎて目的を失う |
🔵青(整列) | 論理的・構造的思考に優れる | 萌(祈願) | 感性や共感を後回しにする傾向 |
🟠橙(模倣) | 社会適応力と模倣力が高い | 赤(感情) | 自発的な情熱が薄くなる傾向 |
🔵藍(思考) | 分析・静的集中が得意 | 赤(感情) | 表現や情熱がこもらない |
バランスを取るとは、逆の色と向き合うこと
魂の色に偏りがあるとき、そのバランスを取る鍵は「反対の性質を持つ色」にあります。これは、色相環の上で補色的な位置にある色だったり、エネルギーの方向性が真逆である色だったりします。
たとえば:
- 🟡黄(意志) ↔ 🔵藍(思考)
- 🌱萌(祈願) ↔ 💜紫(想像)
- 💚緑(調和) ↔ 💗紅(思念)
この対比を意識することで、魂の活動は一方向から全方位へと広がっていきます。偏っている色を否定するのではなく、補う色を意識してください。自分に足りないと感じる領域こそ、今後の魂の成長の方向性かもしれません。
魂の色の傾向を見つけるワーク
- 今の自分に“もっともフィットする色”は?
- なぜその色に惹かれるのか?
- 苦手な色、無関心な色は?
- それは過去のどんな経験に由来している?
これらを意識することで、魂の重心(=現在の傾き)を感じ取りやすくなります。
さらに:自分の中で眠っている色を呼び起こすことで、バランスを回復できます。色の偏りが変化するとき、魂は次の段階へと進もうとしています。
終わりに
私たちは皆、虹のように10色を持って生きています。けれどその色は、時に強く、時に弱く現れます。今どの色が光っているか。そして、どの色がまだ輝きを待っているか。それを知ることは、魂の声に耳を傾けることです。
偏りは欠落ではなく、方向です。魂の重心がどこにあるかを知れば、自分の魂をもっと自由に使えるようになります。それが、自分の色を生きるということです。